朝5:30に起きて支度をはじめる。まだテントの外は暗い。
トイレに行ってみると便座が無い。海外では時々あるけれど、こういうトイレはどうやって「う◯ち」をするのだろうか。便器におしりがつかないように頑張って「エアー」で体制を整えた。これは足の体力使うなぁ・・・。
こっちは小便器。レストランの厨房みたいだ・・・。
そうこうしているうちに、辺りは明るくなってきた。テントはそのままにしてバス乗り場へ向かう。
昨日バスを降りた所にバスが止まっている。たぶんこれなんだろうけれども、運転席には誰もいない。
そばにあるベンチで待っていることにした。バスは7:30出発のはずだ。まだ7:10なので誰もいない。今日はトータル600kmほどバスでの移動でグアナファト(Guanajuato)まで行く。事前にバスルートを調べたがトラントンゴやイスミキルバンからグアナファトまで直接行くバスが見つからなかったのでメキシコシティに一旦戻って乗り換えるのだ。
7:30にイスミキルバン行きのバスが出発した。2人で100ペソだ。険しい山の奥から朝日が昇るのをバスの車窓から見る事ができた。とても綺麗だった。
ちなみにこのバスはトラントンゴに行く時は右側、帰る時は左側に座るのが渓谷がよく見えて良いと思う。ただバスはものすごく揺れるので気をつけた方がいい。そして朝から大音量で音楽をかけており、とてもうるさくて寝れない(>_<)
イスミキルバンへは予定より少し遅れて8:35頃に到着した。そこから市場の横を小走りでメルガドまで行き市内バスに飛び乗った。そこからバスターミナルへは9時前に到着し、メキシコシティ行きの9時のバスに乗ることができた。
メキシコシティまでのバス代は2人で330ペソだ。行きと違って荷物検査も身体検査もない。運転席と乗客とのガードも閉めない。同じ路線なのにセキュリティは大丈夫なのか?
バスに乗る前、切符売り場の机の上にあったパンを見て「これ買える?」と係員に聞いてみた。売り物のように陳列をしていたわけではないので商品かどうか分からなかった。しかしメキシコシティまでは何も食べるものがないのでダメ元で聞いてみた。「いいよ」と言われ5ペソで1つ買う事ができた。
メキシコシティに向けて走行中、途中でバスが急ブレーキで止まった。何がおこったのかと思ったらタイヤの空気圧が少なくなったみたいで道路沿いの小さな整備工場のような建物からホースを引っ張り、バスのタイヤに空気を入れていた。こんなこといつもやっているのだろうか・・・。ここで10分近く時間をロスしたのだが、次のバスの便への乗り換えに間に合うだろうか・・・?
3時間近く走り、12時前にメキシコシティの北バスターミナルに到着した。バスチケットをまだ買っていないが願わくば12:20発のPrimeraPlus社のグアナファト行きバスに乗りたい。
預けておいた荷物を受け取り、その後チケットを買ってバスに乗る、ということをやっていたら絶対間に合わない。そこでボクたちは作戦を立てた。バスを降りてすぐに嫁ちゃんは荷物預かりに猛ダッシュをし、2つ分のバックパックを受け取る。そしてボクはこれまた猛ダッシュでPrimeraPlus社のチケット売り場に走ってチケットを買う。二手に分かれての別行動作戦だ。
ボクは重い荷物を持っていないので思いっきり走ってチケット売り場に到着したが、ボクの前に他の客が2組いた。間に合うか少しイライラしながら待っていたら、すぐにボクの順番となり受付のお姉さんに「グアナファト、ドス!」とスペイン語で言った。
空席は残り2つしかなかったのでギリギリ助かった。この便を逃すと1時間20分後の出発となり…グアナファトの夕日を見ることができない。そうするとイスミキルバンでも猛ダッシュをした意味もなくなってしまう。
グアナファト行き1人602ペソのチケットを買い終わった頃、嫁ちゃんは2つのバックパックを持ってやってきた。2人ともGoodJob!
北バスターミナルの玄関を入ると左右両方にバスチケット売り場があるのだが、正面から見て左にあるPrimeraPlus社でチケットを買っていた。先日OVNIBUSのチケットを買った時にPrimeraPlus社の窓口がすぐそばにあるのを確認しておいたのだ。しかし、グアナファト行きのPrimeraPlusバスの乗り口は右側のゲート1。チケットを買った場所の反対だった!また猛ダッシュで走って行くと、なんと右側にもPrimeraPlusの窓口があった。こちら側の方が乗り場に近くて窓口も大きい。しかし、すごく大勢の人たちが順番で並んでいた。走るハメになったけれども結果的には左側の窓口で買っておいて良かったのかもしれない。
荷物検査と身体検査をして乗り場にでた。しかしバスの前でも再び荷物検査と身体検査があった。
バスに乗る時、飲み物と軽食が配られた。大きいバックパックはバスの下に預け、ボクたちはその軽食と小さなバッグ、防寒がわりの寝袋を持ってバスに乗り込んだ。ちなみにこのバスは座席が決まっていたので自分たちの席に座った。
車内ではwifiがあり、座席の前にはUSBポートがあった。さっそくiPhoneを繋いで充電する。wifiパスワードはトイレのところに書いてあったが遅すぎて使い物にならない。
高速道路の入り口ではライフルを持った警察官だか警備員が立っている。日本だとなかなか見かけない光景だ。グアナファトへはイスミキルパン方向とは途中から別の方向の高速道路に分かれる。
メキシコシティからグアナファトまでは4.5時間くらいかかるのだが車内にトイレがあるのは安心だ。
そして予定より少し遅れて17:05頃にグアナファトのバスターミナルに到着した。
荷物を受け取り、今度はバスターミナルを出てすぐ目の前から市バスに乗る。
バスの料金は1人5ペソだった。
グアナファトはその昔、鉱山で栄えた街だそうで道路も入り組んでいたり、いたるところにトンネルがあったりする。
今日の宿はピピラの丘の近くにあるのだが、どこのバス停で降りていいのか分からない。ピピラの丘にはケーブルカーに乗って行くのだけれども、GoogleMapを見ながら「たぶんケーブルカー乗り場に近いのはこの辺りだろう」と思われるバス停でボクたちは17:50頃降りた。グアナファトのバスターミナル前から市バスで30分ほどかかった。
ラパス広場の前のバシリカ教会の横を通る。グアナファトはさすが世界遺産の街だけあって、街並みが美しい。石の路面を歩いていると、たくさんの観光客たちが通り過ぎて行く。
ファレス劇場(Teatro Juarez)の前では何か演奏をしていた。隣は「サンディエゴ教会」。建物の前で絵画マーケットをやっている。
ファレス劇場の左の小道を奥に進むとひっそりとケーブルカー乗り場がある。
ケーブルカーの料金は1人片道25ペソ。
急斜面を登っていくとだんだんグアナファトの街並みが見えてきた。ネットや『地球の歩き方』で見たのと同じようにカラフルな家が並んでいる。
終点にはお土産やもあるが閑散としている。有名な観光地なのに観光客はあまり来ないのだろうか。
『ピピラの丘』に行くにはケーブルカーの終点を降りると階段を登って行く。すると広い場所にたくさんの観光客が集まっている場所がある。そこがピピラの丘の展望台だ。
メキシコ独立戦争の英雄「ピピラ記念像」はとても大きい。
いや〜、街全体を見渡す事ができ素晴らしい眺めだ。
↑↑↑少しだけ夕日に赤く染まってきた瞬間にパノラマ写真を撮ってみた。
夕日が沈み、すこしずつ建物の灯りがついてきた。ドローンの「MAVIC」を飛ばしている人いて「いいなぁ」と思った。日本だと200gを超えるドローンはなかなか飛ばせないし、海外でも人が多い場所はあまり飛ばせない。ゲリラ撮影かな・・・。
時間帯が変わると街並みの印象も随分と変化する。いつまで見ても飽きない。
暗くなって来たので宿にチェックインすることにした。ケーブルカーの終点の近くにある「Casa Zuniga B&B」という宿で、ちょっとチープな公式サイトを見てメールで予約した。評判が良いこの宿はオーシャンビューならぬ街並みビューの部屋を2泊して170US$だ。ただし最終日に現金で支払う。
夕食を食べるために再びケーブルカーで麓に降りた。宿にチェックインするとケーブルカー5往復分のチケットをくれる。今回は2泊なので何度か行き来してもこのチケットがあれば足りると思う。
夜の街の通りも街灯や建物を照らす灯りが綺麗だ。公園にはプロレスリングのような舞台がった。
通りで人だかりが出来ている屋台があった。のぞいてみるとオバちゃんがトウモロコシで何かしら作っていた。1つくらいならコレを食べても夕飯を食べることはできるだろう。
1つだけ買ってみた。22ペソと高くはなかったが・・・美味しくない。ブラジルでもそうだったけれども日本以外のトウモロコシって美味しいのに出会った事がないんだよな。
バシリカ教会の右の道を進むと「TRUCO 7」というレストランがある。
アンティークな雰囲気のレストランで「地球の歩き方」にも掲載されていた。
スープやお肉、オムレツとビールで299ペソだった。2000円しないくらいかな。
食べ終わって再び街の中を散歩する。夜は人通りもそんなに多くはなく、静かで綺麗な街だ。
通りのそばにトンネルへの降り口があったので入ってみた。少し薄暗く、ドラマや映画だといかにも襲われそうな場所だ。用心して降りると、トンネルの中にたくさん車が停めてあった。住んでいる人は家の敷地内に駐車場なんてなさそうだし、夜はこうやって停めているんだね。
そして夫婦2人の影でハートマークを作ったりとおバカなことをして楽しんだのだった。
OXXOを発見!ボクの大好きになった「fresca」を買って帰る。ホント、この「fresca」とマレーシアなどで売っている「100PLUS」はぜひ日本でも発売してほしいよ。
宿でもらったケーブルカーの10回チケットを使って再び登る。
終点駅を出てピピラの丘に上がる途中の路地で、地元の人たちが「ピニャータ」と呼ばれるメキシコの儀式をやっていた。子供のお祭りや誕生日などにやる儀式だそうで、くす玉の中にお菓子などが入っていてそれを子供たちが割るのだ。みんな楽しそうだったよ。
宿に戻る前に、もう一度「ピピラの丘」の展望台まで行ってみた。まだ少し観光客はいたけれど、もう多くの人たちは下に降りてしまったのだろう。ボクたちはケーブルカーで上がったこの丘に宿があるので、この素敵な景色を何度でも見る事ができる。
素晴らしい夜景を堪能し、宿に戻ってシャワー浴びて寝ることにする。今日のベッドは毛布が暖かくて気持ちがいい。おやすみなさい!